【blog】心が軽くなるマインドフルネスと東洋哲学 - 執着を手放し振り回されないマインドになる

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心が軽くなった

マインドフルネスに出会って一番の効果が「心が軽くなった」ことです。

以前もブログで書きましたが、私は小さい頃から完璧主義で真面目な性格。母によると、冬休みの習字の字が納得いかないと、何度も何度も書き直して、最後は良かったパーツを繋ぎ合わせてなぞって書く程完璧主義だったそうです笑。その性格疲れますよね。

大人になってからも変わらず、企業でプロジェクトマネージャーの仕事をしていた時も、とにかく素早く、正確に、完璧にを目指して全力投球していました。プロジェクトには問題がつきものだし、たくさんの人が関わるプロジェクトは思い通りにいかないことが日常。でもきっちりしないと納得いかず、とにかく肩の力を入れまくって仕事をしていました。周りに対しても自分に対しても。

当時週に1回はマッサージに行かないと体が持ちませんでした。肩の凝りも、首の凝りも、そして忙しい時の胃腸の不調も本当に酷かったです。私は元々消化機能が強くないので(これは母から受け継いだもの)、ストレスが溜まると全て胃腸の不調と背中のコリに出てしまいます。体も心も力入りまくりで生きていました。

これだけ読むとストレスフルに働いていたんだなと思うと思うのですが、そんな事はなくて、一緒に働く人も会社も好きでしたし、プロジェクトマネージャーの仕事にもやりがいを持って楽しく働いていました。とても良い環境で働かせて頂いていたと今でも感謝しています。向上心もモチベーションもとても高かったと思います。ただ、ストレスに弱く、そのストレス反応が体と心に出てしまう。

今はもっと軽やかに楽に楽しく頑張ることができる様になりました。
頑張りの「質」が違う感じです。
この変化を与えてくれたのが「マインドフルネス」でした。

ヨガ哲学を学び実践したことで毎月の胃炎がなくなり、マインドフルネスを学んだことでモチベーションコントロールができるようになりメンタルが強化されました。体も心も軽くなりました。力を入れまくっていた生き方から少し肩の力を抜いて、自分の不完全さや脆さも受け入れて、自分らしく生きられるようになりました。まだ力みがちなので軽やかさへの成長過程ですが、徐々に肩の力を抜いて心軽やかにいられるようになりました。

今回は心を軽くしてくれた「マインドフルネス」について書きたいと思います。



1. 現代人のマインド

体も心も力んでいませんか?

現代を生きる私たちは、やることに追われ、時間に追われ、プレッシャーに追われながら生きています。頭もパンパンな状態です。今この瞬間も、次にやることで頭が占領されていませんか?3分間目を瞑る瞑想でも、頭の中には次々といろいろな思考が浮かんでくると思います。

仕事や人間関係、日々トラブルって発生しますよね。ストレスに対して体も戦闘体制に入るので肩も、首も、背中もカチカチ。体にも心にも余白がないよう状態です。

余白がないと、自分の事に意識を向けたり、自分の心と体の事を労ったり、自分の人生や在り方、今後のビジョンについて今に立ち止まりゆっくりと考えることできませんよね。

現代人のマインド1

ストレスフルなマインド

人は1日に7万回思考しています。呼吸は1日に3万回なので、呼吸の倍以上です。マインドは常に彷徨っています。過去に彷徨い、未来に彷徨う。このマインドの彷徨いのことを”マインドワンダリング”と言うのですが、起きている時間の46.9%無意識にオートパイロット状態(自動操縦状態)で彷徨っています。このマインドワンダリングは”Unhappy Mind”とも表現されます。不幸せなマインドです。マインドは彷徨っている時、過去の後悔、未来への不安、今ここにいない誰かとの比較などネガティブな方向に引っ張られがちだからです。

嫌なことが気になって眠れないことありませんか?

私たちはポジティブな出来事よりも、ネガティブな出来事に囚われがちです。ネガティブバイアスです。ネガティブな出来事ほど、何度も何度もループのように頭の中で反芻されます。そしてそれに伴い心も振り回される。私たちはストレスの刺激となる出来事それ自体だけでなく、そこに囚われる自分のマインドによって振り回されます。

現代人のマインド2

思考過多による脳疲労

1日7万回思考していると言いましたが、すごい回数ですよね。私たちは無意識の中でもたくさんの情報を入手しています。1秒間に2000個の情報を感知して、8-16個の情報を認識すると言われています。1秒間に2000個って信じられないですよね。

自然の中にいると脳が休まる感覚になりませんか?

世の中は情報に溢れています。そして私ちはたくさんの事を同時にこなすマルチタスクで生きています。脳のエネルギーを消費し脳疲労を起こしています。脳はたくさんの情報を感知し、取捨選択し、抑制することで、物事を認識したり、必要なことに集中力を発揮したりしています。自然の中に身を置くと、過剰な情報処理に使われた抑制機能が安まり、取捨選択を迫られることなく、脳が休まります。

ちなみに人はマルチタスクをすることはできません。私たちの脳の機能は常にシングルタスクです。今この瞬間に1つタスクしかこなすことができません。マルチタスクは、同時にやっているように見えて、タスクの切り替え(タスクスイッチング)をしていて、この切り替えにエネルギーを消費しています。なので、マルチタスクは脳疲労を引き起こします。

現代人のマインド3

Doing Modeから抜け出せない心理

信号待ちのちょっとした空き時間にも携帯見てしまいませんか?

現代人は常にDoing Modeです。昔の人が縁側でお茶飲みながらほっと一息なんて時間、現代では見なくなりましたよね。常に何かやっているDoing Modeです!

私たちの集中力は金魚よりも短くなっていると言われます。現代人の集中力の平均が8秒であり、金魚の集中力とされる9秒より短いとされています。SNSが普及し、TVのCMを見る時間もイライラ、ゆっくり本も読めなくなっています。ページ読み込み時間が1秒から3秒に増加すると、離脱率が32%増加して、全世界的に5分間のインターネット停止が発生すると、グローバルECサイトは約2億円近い損失ができるそうです それくらい私たち現代人はせっかちで何かしていないと落ち着きません。

私も昔そうだったのですが、実家でのんびりと過ごすことができませんでした。東京とは違うスローな時間に周りから置いていかれるような感覚。帰省してもすぐに東京に戻っていました。

これどんな心理なのか?

何かしていないと置いていかれる恐怖感。
価値を証明し続けないといけないという不安。
何もしない罪悪感や焦燥感。
今に立ち止まることの恐れ。

成功や効率が重視される世の中で絶えず行動しなければならないとプレッシャーを感じています。SNSや24時間アクセス可能なデジタルから絶え間なく刺激を受けているので、アドレナリンやドーパミンが過剰に分泌され、「次々と行動し続けなければならない」という感覚や欲求が助長されてしまいます。


2. マインドフルネスとは

そんな現代人のマインドにこそ必要なのがマインドフルネスです。

マインドフルネスとは「今この瞬間に、意識的に、評価せずに、注意を払う」在り方です。禅や瞑想の考えから万人に受け入れられるように宗教的な要素を排除して、脳科学等の科学的な根拠を示してメソッド化したものです。

マインドフルネスは脳科学、医学、生理学、精神医学、心理学で研究されている分野です。科学的にも効果が証明され、今も更に研究され続けています。スティーブジョブスは禅の信仰に深く、その影響でシリコンバレーのIT企業が社員プログラムに取り入れられ、膨大な情報を扱いプレッシャー下で働く知的エリートたちが自分を統御する術としてマインドフルネスを取り入れビジネスの世界にも広がったと言われています。

ストレス過剰で振り回されるマインド、思考過多で疲労している脳、そして、常にやる事や時間に追われDoing Modeな私たちに必要なのが”マインドフルネス”です。余白なく重くなってしまった心を軽くしてくれます。

目を瞑りたった5分間じっと座って瞑想することも難しい

「今この瞬間に、意識的に、評価せずに、注意を払う」在り方。この在り方はすごく難しく、訓練しないとできません。思考や感情は刺激に反応し続け、マインドは過去や未来を彷徨い、勝手にネガティブになってしまいます。過去の後悔や未来への不安、やる事から解放され、”今”にbeing modeで存在し、現実や自分の感情を俯瞰して見つめ受け入れることができる様になるには訓練が必要です。

目を瞑りたった5分間じっと座って瞑想することも難しい

マインドフルネスは心の筋トレとも言われ、Awareness(気づきの力)、Acceptance(受容の力)、そしてAttention(注意を向ける力)を養ってくれます。BE HERE NOWでは「マインドフルネスで養われる3つのA」と紹介しています。これらの心の筋肉が養われる事で、柔軟でしなやかなマインドになり、周りに振り回されずに、ありのままの自分で在れるようにしてくれます。


3. 東洋哲学の教え (ありのままを受け止める心)

マインドフルネスのベースとなる東洋哲学

私は最近東洋哲学の本にハマっています。以前は難しいなと思っていたのですが、最近心にすっーって入って来るようになりました。読むタイミング、学ぶタイミングってありますよね。

最近読んだ本に東洋哲学の根本には「楽になる」という目的があると書いてありました。

「人生には苦しみがある」
聞いたことありますよね?

これはブッダの教えの
「四聖諦(ししょうたい)」です。

四聖諦
生きることは苦しみである
苦しみには原因がある
その原因は取り除くことができる
取り除くための方法がある

ブッダは人生の虚無感に悩んでいて、”無我”の境地に至り、悟りを開いたと言われています。そこで現れるのがサティです。仏教の”サティ”(気づき/正念)は注意深く意識を保つことという意味です。

苦しみの存在に気づき、その原因を理解することで、苦しみを克服する道が開ける。苦しみから解放されるということです。

この”サティ”は、マインドフルネスの語源にもなっています。仏教のサティは”悟り”や”解脱”を目指すものであり、マインドフルネスは宗教色を排除しウェルビーイングを目指す現代に応用されたものです。

これらは東洋哲学でよく出てくる言葉です。

諸行無常
すべての物事は変化し続け、
永遠に同じ状態でいるものはない

無我
これが自分というものは1つもない
(相互関係によって成り立つ)


この世は全て幻だ
(関係性によって成り立つ)

これら全ての考えが、執着を手放すことに繋がっています。変化を受け入れ、過去や未来への執着を手放す。自己への執着を手放す。「こうあるべき」という固定観念を手放す。「それ自体に意味はなく、自分の受け取り方次第」と考えることで、物事への執着を手放せます。

東洋哲学には「執着を手放し、物事をあるがままに受け入れる」という思想があります。マインドフルネスの概念とも一致していますよね。Awareness -自分の状態に気づき、Acceptance - 評価判断、自分の思考や感情のフィルターを加えずにあるがままに受け入れ、Attention - 自分の望む方向に意識を向ける。東洋哲学を深く理解している訳ではないですが、このAcceptanceの深い境地が東洋哲学の真理に繋がっているんじゃないかなと私は感じています。

気づき、あるがままを受け入れることが、ストレス、苦悩、不安から心を解放してくれます。

東洋哲学を楽しくおもしろく、そして分かりやすく教えてくれる本がこちらです。私もこの本を読んだことがきっかけで深く難しい東洋哲学の世界をなんとなく理解することができるようになりました。おすすめです!

自分とか、ないから。教養としての東洋哲学
(著: しんめいP)


4. 悩みは正しく理解すると手放される

私が昔からたくさんの人におすすめしているのがこの本です。

反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
(著:草薙龍瞬)

私自身も何度も何度も読み返している本なのですが、読む度に違う気づきがあります。今までに一番読み返した本です。マインドフルネスの実践をすればするほど、本の理解が少しずつ深まるのを感じています。

原始仏教は、実用的で、合理的で、現代にも使える教えであると、智慧に富んだブッダの智慧を分かりやすく教えてくれる本です。悩みは”心の反応”から生まれ、無駄な”心の反応”を止めることで、悩みや苦しみから抜け出すことができるという考え方です。

無駄に反応しない
悩みを正しく理解する

悩みがあると認め、現実を受け入れ、あるものをあると理解する受容することで、苦しみの原因である「執着」が手放されます。

これをコーチングで体感した経験があります。

グローバルプロジェクトのPMをしていた時、アメリカのPMがブルトーザーの様に強く自分の意見を押し通す人でした。日本サイドのPMとして、日本のチームを守らなきゃという気持ちがあり、常に気が張っていて、日々格闘していました。掛け合ってみては押し返される。その繰り返し。もちろんプロジェクトを成功に導くというゴールは一緒なのですが、そこに対する考え方もやり方も違い苦戦。そして問題も山積み…

そんなNY出張後にすぐにコーチングのコースでした。当時CTIの応用コースを受けていました。出張の疲れ、メンタルの疲れで、体も心もぐったり。やっとの気力で受けていたコース中にロープレのような形でやる7分間のコーチング練習がありました。すでに資格を取得しているアシスタントの方とあたり、私はクライアント役。その7分のコーチングで号泣。まさか自分が泣くとは思わずびっくりでした。

でも、それより驚いたのが、自分の感情に気づき、自分を理解した事で、それまで重かった体が軽くなり、ガチガチだった心が緩み、パンパンだった表情が緩みました。このロープレは午前中だったのですが、午後一緒に受けているみんなから”午前中と顔が全然違う!”と驚かれたのを今でも覚えています。私が抱えていた感情は「無力感」でした。「無力感を感じてたんだ」と自分を受け止めただけで、何の状況も変わらないのに、前に進む活力と勇気が湧いてきました。ほんと不思議。

その後にこの本を読み返し、「ほんとその通り!」と思いました。

この本にも書いてある言葉です。

悩みを理解すると、”苦悩”が”希望”に変わる。
正しく理解することこそ、人生の苦悩を解く一番強力な智慧
そして、将来を信じる。


5. 判断基準は「役に立つかどうか」

「反応しない練習」の一番好きな考え方がこの合理性!
判断基準は「自分に役立つかどうか」

この本を読んでから、私の判断基準がこれになりました。

悩みは全て心の妄想。

「私なんて…」というのが私の思考の癖でした。コーチングではサボタージュといいます。でも、これも妄想。自己否定は合理的でなく、妄想にすぎない。「私なんて…」と1人で勝手に自己否定しても無意味で何の得にもならない。だから「私なんて…」という無駄なエネルギーの消費はしないようにしようと誓いました。

人は反応する生き物なので反応しないのは無理です。でもその反応を引きづるのは自分の責任。これも無駄だと理解しました。怒り続けても生産的でないし、落ち込み続けてもエネルギーの無駄使い。自分が「あっ落ち込んだな」と気づいたら、「これはエネルギーの無駄遣い」と捉えるようになりました。落ち込んだりショックを受けた自分を受け止めてすぐに前を向けるようになりました。

独立してから一度心がかなり乱されたことがありました。知り合いの方の会社のセッションを担当することになり色々と企画を進めていたのですが、社内のミスコミュニケーションと組織変更に巻き込まれ、会ったことない方からあれやこれやと担当者の方と私に酷い言葉が飛んできました。「社会人でこんなこと言う人いるんだ…」と衝撃でショックを受けました。

でもこんな時も、”こんなことに反応して落ち込んでいたらエネルギーの無駄遣いだ”と思い直し、「ショックだったね。びっくりしたよね。」とショックを受けた自分を癒すために大好きなアイスクリーム屋さんに行って「アイスで癒してあげるからね」ってアイスを食べました笑

昔だったら心がずっと引きずられる様なことも、この「自分に役立つかどうか」という判断基準を持つことで振り回されなくなりました。

「自分に役立つかどうか」は、決して自分勝手、自己中心的な考えでなく、自分の未来に、自分の今後の成長に、そして自分らしく生きることに役立つかどうかと言う判断基準です。


6. マインドフルネスの実践が執着を手放す力を養ってくれる

マインドフルネスのプラクティスはどんな形でもできます。

瞑想でも、呼吸法でも、書く瞑想でも、動く瞑想でも。歩く瞑想や食べる瞑想、それ以外にも、歯を磨く時にマインドフルになる、家事をするときにマインドフルになるみたいな事でも可能です。

重要なのは意識のあり方です。
「今この瞬間に、意識的に、評価せずに、注意を払う」

過去にも未来にも囚われることのないクリアな心で、無意識に彷徨うことなく意識的に今に存在し、良し悪しや好き嫌いなどの評価判断を加えずに、ありのままの「今この瞬間」に意識を向け受け入れる事です。

たとえ何か1点に集中する瞑想をしていても必ず雑念が現れます。雑念が現れることは自然です。重要なのは、この雑念や心の反応に気づき、評価判断することなく、もう一度自分の意識を望む方向に向ける事です。この繰り返しにより、Awareness - 気づきの力、Acceptance - 受容の力、そしてAttention - 意識を向ける力が養われます。

瞑想中にこれらの心の筋肉が鍛えられ、現実世界で何か起きた時に適用されます。ストレスの出来事に無駄に振り回される事なく、気づき、受け入れ、ニュートラルな心の状態で、自分の望む方向に意識を向け、前進することができます。


MINDFULNESS
今この瞬間に、意識的に、評価せずに、注意を払う
— Jon Kabat-Zinn

7. まとめ

マインドフルネスは、禅や瞑想の考えから万人に受け入れられるように宗教的な要素を排除して、脳科学等の科学的な根拠を示してメソッド化したもの。宗教的な要素は排除されています。

でも、東洋哲学に触れてみると、もう少し深くマインドフルネスの概念や効果を理解できます。東洋哲学の概念は難しい過ぎてなかなか理解できませんが、自分の経験や心と照らし合わせた時に、なるほどと思うことが少しでもあれば少し理解できたことになるのかなと思います。

私はコーチングの学びがヨガ哲学の理解を深めてくれました。ヨガの目的を理解できたのは、コーチングの学びのおかげです。他の分野の何かが、新たな概念や学びが、今の自分の理解を深めてくれることありますよね。私ももう少し色々な面から学びを深めてみようと思います!

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