BE HERE NOWマインドフルネスコーチ/リトリートオーガナイザーのSERIです。マインドフルネス、ウェルネス、セルフケアや「生き生きと働く「マインドについて発信しています。
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ずっと受けたかったMBSRをついに!
「MBSR - mindfulness based stress reduction」
本は読んでいて、以前から興味があったのですがやっと受けることができました。せっかくなら英語の勉強も兼ねてと、アメリカで開催されているプログラムをオンラインで受講しました!緊張と不安はあったものの自分をプッシュして受講し、8週間のプログラムを終えた今「受けて良かったな」と感じています。
今回私が受講したのはこちらです。
ブラウン大学マインドフルネスセンターとマインドフルネスアンドヘルスインスティテュートが共同で提供する8週間のマインドフルネスプログラムです。最初に指導者と1対1のチェックインがあるのですが、今まで学んだ事などについてシェアした時に「本も読み返さず、自分の心と体で体験することを大切にする8週間にしてみて」とアドバイスされました。なので、今までの学んだことは横に置き、オープンなフレッシュな気持ちで心と体で実際に体験することに重きを置いて参加してみました。8週間のプログラム後にジョン・カバットジン博士の「マインドフルネスストレス低減法」の本を読み返したのですが、やはり過度な期待で心を曇らせることなく、実際に実践し体験し、その体感を通して気づきを得ることが大切だと感じました。
自分の備忘録のために「MBSR-マインドフルネスストレス低減法」を受けた気づきや感想を残しておきたいと思います。
1.MBSR「マインドフルネスストレス低減法」とは
MBSR
mindfulness-based stress reduction
「マインドフルネスストレス低減法」
ジョン・カバットジン博士は、マサチューセッツ大学医学大学院教授・同大マインドフルネスセンターの創設所長です。マインドフルネスを世界に広めた第一人者です。そのジョン・カバットジン博士 が定義したのが「今この瞬間に、意識的に、評価せずに、注意を払う」という表現です。
マインドフルネスストレス低減法は、ジョン・カバットジン博士が開発した8週間のプログラムです。博士は日常的に禅やヨガを実践し心や体への効果を体験していたそうです。その効果を感じ囚われずに穏やかにただ観察するマインドフルネスの概念やプラクティスを痛みの緩和療法に取り入れました。現代人はストレス社会を生き苦悩を感じる事が多いでの、病気による痛みやうつや不安症などの医学的治療だけでなく、ウェルビーイングな生活を送ったり生活の質を高めるような心身の健康にも応用されています。
マインドフルネスストレス低減法
ジョン・カバットジン (著)
MINDFULNESS
今この瞬間に、意識的に、評価せずに、注意を払う
- Jon Kabat-Zinn -
2. MBSRプログラムの特徴
MBSRのプログラムでは、8週間の期間中に週に1回開催される2.5時間のクラスに参加し、マインドフルネスの実践方法やストレスへの対処方法を学びます。コースの途中では約8時間のALL DAY RETREATがあり、「今」に意識を向けるマインドフルネスの感覚を養い1日の体験を通して自分の中に根付かせます。
クラスの時間だけでなく、セッションとセッションの間にはホームプラクティスが用意されていて、各自自宅で毎日マインドフルネスを実践します。瞑想用のレコーディングを用いて45分の瞑想をベースに各週のクラスの内容に合わせたプラクティスが宿題として用意されています。この45分の瞑想を毎日実践することが重要なのですが毎日欠かさず実践するのはなかなか大変でした。
< プログラムの特徴 >
目標意識を手放しただ日々の実践を継続することを重視
8週間の期間中「今」の体験を大切に過ごす
シェアリングタイムで一人一人が自分の体験や気づきを言葉で語る
参加者同士の間でも学びや気づきを得る
答えを渡されるティーチング方式ではなく、自分自身の体験により心と体で体感し、気づきを得ていくような学びです。参加者同士で励ましあい、学び合うというプロセスもとても大切です。この様な場に主体的に参加している方達は、とてもオープンで吸収する力の高いコーチャブルな人達が多いです。他の参加者の方とのシェアリングでも多くの気づきがありました。学びの場が楽しいのは、この好奇心に溢れ、オープンな方たちとの関わりも1つの要素だなと感じます。
私が今提供している企業研修や個人セッションでも「新たな概念を知り視野を広げる」ことと「実際に体験し心と体で体感して気づきを得る」ことを大事にしているのですが、やはり知識&体験の組み合わせのプロセスはパワフルだなと実感しました。
(blog) 「コーチャブル」 → こちら
week 1
Body Scan(ボディスキャン)やMindful Eating(食べる瞑想)を実践しました。印象的だったのが ”All your emotion is welcome!”とオープニングで言われたことです。どんな感情も歓迎するしあなたの存在ありのままで来てくださいと最初からとても心理的安全性の高い場が創造されていました。否定することなく、無理強いすることなく、ただ実践や体験を通して常に「今」の自分の感覚に意識を向けるように促されます。
食べる瞑想は何度も体験したり、自分でもセッションで提供したりしているのですが、カルチャーの違う人々の集まりで表現や視点の違う感想がとてもおもしろかったです。
(blog) 食べる瞑想 → こちら
毎回クラスの中で紹介されるメッセージや引用もとても印象的で素敵でした。
Universe is not asking us to do something.
Universe is asking us to be something.
宇宙は私たちに何かするのでなく、何かになることを問いている
week 2
MBSRのクラスでは実践方法を学ぶだけでなく、シェアリングタイムで一人一人が自分の体験や気づきを言葉で語るということも重視されています。ホームプラクティスで感じた難しさや課題をスモールグループで話します。誰でもマインドが彷徨うことに皆安心感を覚え励まされ、クラス全体で共感し支え合い、学び合うよな学びの構成になっています。このブレイクアウトルームでの意見交換で新たな視点を得たり、違うことに気づいたりとても良い時間でした。week 2での私の気づきは「過度な期待は禁物」というものでした。ヴィパッサナー瞑想でも感じたのですが、過度な期待は純粋な体感を妨げで、体験を浅くしてしまう事があります。何も得られていない事に執着してしまうと心にフィルターが掛かって見えなくなってしまいます。ジャッジせずにただ実践を続けることでたくさんのことを教えてくれるのがマインドフルネスだと思いました。
(blog) ヴィパッサナー瞑想 → こちら
9 DOTSというホームワークが前週に出たのですが、人には思考の癖・習慣・パターン・レンズ・フィルター・制限があること、枠にとらわれない視点やマインドを持つ大切さついて考えました。マインドフルネスは気づきの柔軟性を高め、ジャッジメントを手放す練習にもなります。
week 3
Mindful Movement (動く瞑想)とも言われるヨガが紹介されました。ヨガと言ってもかなりゆっくりと動く呼吸に意識をおいたものです。私はヨガを日常的に実践していて慣れてるということもあるのですが、動く瞑想はより集中できて好きです。クラスでは初めてヨガを体験した方も多く「心と体の繋がり感じてとても気持ちよかった」という感想を話していました。ヨガの語源は「繋ぐ」。私もマインドフルネスのプラクティスをヨガでスタートしたのですが、ヨガはマインドフルネスの導入として一番おすすめできる方法だと思います。「マインドフルネスストレス低減法」の本にも参加者の皆さんヨガの実践を好むと書かれていました。
(blog)ヨガ → こちら
Let go (手放す)の概念を、鉛筆をぎゅっと握っている状態から手を緩める感じと表現していたのがとても分かりやすかったです。手を開き手の内側にあるものを観察する感覚。人は力を入れるのは得意ですが、緩めるのは苦手です。手を緩めると言われると少しできそうですよね。
グループシェアリングで、前週の宿題の「Pleasant Event (嬉しかった出来事)」についても話し合いました。私自身は、海を眺めて美しいと感じた時、大好きな人達に会って安心感を感じた時が上がりました。グループシェアでも、自然を見るということを何人も上げていました。やはり自然の畏敬の癒し効果は偉大ですね。
week 4
Walking Mediation (歩く瞑想)を実践しました。今まで体験した中で一番集中でき体感できるものでした。瞑想のリードがとても上手なのと、声のトーンがとても居心地よかったからだと思います。自分の足の裏の感覚だけでなく、地と設置しているグラウンディングの感覚、重力、体の1つ1つのパーツの感覚などです。そして体の微細な働きに感謝の気持ちも生まれました。去年からパーソナルトレーニングを受けているのですが、体の1つ1つの筋肉や関節の感覚をしっかりと捉え、感覚のレベルを上げ意識できると、自分が思う様に体を動かし鍛えたい筋肉を鍛えることができると学びました。ちょっとマニアックですが、この体の微細な感覚を捉える感覚が、筋トレもマインドフルネスだなと思いました。
グループシェアリングで、前週の宿題の「Unpleasant Event (不快な出来事)」についても話し合いました。自分の記録と他の人の意見を聞きながら、自分の期待値にそぐわないことに不快を感じ反応していると気づきました。不快な出来事は、心も体も緊張させてしまい、抵抗の力が働きます。でも不快な感覚は永遠でなく一時的なもので生まれては消えていくものです。不快な出来事を無理やり押し出そうとするのでなく、来ても大丈夫だというウェエルカムモードで受け入れ、ジャッジする事なく好奇心を持ってただ観察し、その感覚を認識していく事が衝動的な「反応」を冷静な「対応」に変えてくれるのだと思います。
week 5
Sitting Meditation (座る瞑想)で様々なアンカーを使う瞑想を実践しました。これこそ「心の筋トレ」「脳の筋トレ」と言われるマインドフルネスの気づきの練習です。ヴィパッサナー瞑想も10日間ひたすらこの練習の繰り返しでした。アンカーとは錨のことで「今」に意識を繋ぐツールとなるものです。一般的なのは呼吸ですが、足や手などの体の感覚、体と床の設置面、音などもアンカーになります。不快な出来事と同じで、瞑想中に雑念が現れても無理に押し出そうとするのでなく、マインドが彷徨っていることに気づいて、ジャッジすることなくやさしい気持ちでアンカーに戻します。
(blog) ヴィパッサナー瞑想 → こちら
【コース前半を終えた感想】
ここまででコースの半分が終了しました。少しずつですが自分の変化も感じました。12月&1月は未来への不安に揺れ動かされがちなのですが、ありのままの現実を受け止め、無駄足掻きしないで不安を手放せた様な気がします。日々過ごしていると時間ややることに追われ焦る気持ちなどで自分をプッシュしてしまいがちですが、焦りの気持ちから解消され少しスローダウンして自分の中にスペースが広がった感覚になりました。
ALL DAY RETREAT
時差の関係で、22:45-翌6:30というチャレンジングなスケジュールだったのですが、どうせならライブで受けたいと思い参加しました。途中眠さはきたものの、様々なプラクティスの実践の数珠繋ぎのような体験でとてもおもしろかったです。次は何が来るのだろうと好奇心を持って楽しんで参加する事ができました。Body Scan, Sitting Meditiation, Yogaに加えて、新たにMountain Meditaion(山の瞑想)、 Loving and Kindness Meditaion(慈悲の瞑想)、Mindful Lunch (食べる瞑想のランチ時間)、 外を歩くWaking Meditaiotnなどの実践がありました。誰とも話さないサイレントリトリートであったことも自分自身に集中できて良かったです。ヴィパッサナー瞑想はまさに修行だったのですが、MBSRのALL DAY RETREATはまさに癒しでした。1日を終え「平和」「静けさ」「心と体の繋がり」「手放し」みたいなキーワードが浮かびました。
心に響いた言葉が”I’m here with you”と自分自身にかけてあげる事です。どんなに孤独や寂しさを感じる事があっても、惨めに感じることがあっても、私だけはいつもあなた(自分)と一緒にここにいるよという言葉です。以前読んだ本にも人は本来孤独な生き物で、でも自分だけはいつも自分といると認識する事ができたらもう孤独は感じないと書いてあったのを思い出しました。
I’m here with you.
私はあなたと一緒にここにいる
week 6
前週の宿題の「Difficult Communication(難しい会話)」についてグループシェアをして、Mindful Listning(マインドフルリスニング)の実践がありました。以前受けたGoogleのSearch Inside Yourselfでも同じプラクティスがあったのですが、対話中に聞くことに集中する練習です。コミュニケーションはダンスで、一人が変わったらダンスが変わるという言葉も印象的でした。他人は変えることができないけれど、自分の反応を変えて、新たな方法でコミュニケーションをとるとダンスが変わるかもしれません。
week 7
Self-guided Meditaion(ガイドなしの無音の瞑想)を実践しました。今まではクラスの中でも家での実践でもガイド付きのものだったのですが、沈黙の中で行う瞑想を実践しました。意識はそれがちですが、沈黙の瞑想は集中の訓練になります。
その他、マインドフルネスをこれからの生活に根付かせるための自分のための方法を考えます。自分に栄養を与える「やる事」と自分のエネルギーを消費させる「やめる事」を各自考えました。私はもっとマインドフルに体を動かすことを追加して、無意識にSNSやテレビを見る時間を減らそうと思っています。
week 8
あっという間に8週間。この8週間を振り返り、学んだこと、気づいたこと、変化したことについて、一緒に学んだ仲間達とシェアをしました。
4. 8週間のプログラムを通して感じたこと
8週間のプログラムを終え自分自身の変化で感じたのが、未来への不安で心が揺らいでいた感覚が少し手放され今にフォーカスできている感覚です。今までにもマインドフルネスを様々な形で学んでいたので知っていることもたくさんありましたが、この8週間の「実践」&「体験」によるマインドの変化は大きかったです。マインドフルネスはやはりすごいなと感じました。不安や恐れが人生から消えるわけではないですが、不安を抱えながらでも「今この瞬間」を精一杯に楽しもうという気持ちが後押しされました。
波の乗り方&波乗りの楽しさを学ぶ
ジョン・カバット・ジン博士の言葉で一番好きな引用が「波を止めることはできないが、波に乗ること学ぶことはできる」と言うものです。今回の8週間はまさに波の乗り方を学び、実際に海に出て練習し、乗り方のコツを少し得たような感覚です。サーフィンする程上達はしていませんが、サーフィンや波待ちの楽しさも実感することができました。8週間毎日のプラクティスを継続したからこそ、波乗りの楽しさの感覚も芽生えたのだと思います。気づきの力で「反応」でなく「対応」を選択する
意図したわけでなく自然と不安が手放されました。マインドフルネスの実践で気づきの力を養う事で、自分のことをジャッジせずに俯瞰的に捉え、無駄に感情に振り回されず、平静な状態で対応できるのだと思います。自分の理解者になる
今回のプログラムでも自分との関係性の大切さを実感しました。「The most important relationship in your life is with yourself (人生で一番大切なのは自分との関係性)」という言葉がありますが、自分に安心感を与えてあげるのは自分の存在なのだと思いました。All Day Retreatで先述した”I’m here with you”と自分に声をかけてあげる事は続けたいです。
これからも実践を続けていきたいです。
You can’t stop the waves, but you can learn how to surf
- Jon Kabat-Zinn -
波を止めることはできないが、波に乗ることを学ぶことはできる
5. まとめ
MBSRを受けて、マインドフルネスの世界は知れば知るほど深くなると感じました。恐らくどれだけ学んでも尽きなく、どれだけ実践しても足りないのだと思います。でも深いからこそおもしろい!知識を増やし視野を広げ、実際にマインドフルネスのプラクティスを日々実践することで、気づきや学びとなって自分の中に根付くのだと思います。腹落ちしないと現実での変容には繋がりません。これからも自分に好奇心を持ちながらマインドフルネスのプラクティスを続けて自分の変化を実験してみたいです。
「マインドフルネスストレス低減法」にはこの8週間のプログラムが詳しく載っていて、プログラムに参加しなくても実践できるツールが整っています。MBSRを受けた方が仲間もでき途中で挫折する事が食い止められる事があると思いますが、まずは本を読んでみたり、毎朝瞑想やヨガを5分実践するところからスタートするのでも良いと思います。是非体験してもらいたいです。
Live your authentic life!