BE HERE NOWマインドフルネスコーチ/リトリートオーガナイザーのSERIです。マインドフルネス、ウェルネス、セルフケアや「生き生きと働く「マインドについて発信しています。
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ストレスは「悪」ではない
「ストレスは悪だ」と思いますよね。でも実はストレスは私たちが生き成長していく上でとても重要なものです。ストレスに遭遇した時、私たちはそれに対処しようとして強くなれます。ストレスは私たちの心や体を奮い立たせる役割を担っています。
刺激がないこともストレスになりえます。仕事がマンネリで刺激がなく飽きてしまったり、簡単すぎて面白く感じなかったり。ストレスが少なすぎる状態も、体や心のコンディションに影響を与えます。これを「アンダーストレス」といいます。ストレスが少なすぎるのもストレスになってしまうんですね。
私も会社を辞める直前まさに「アンダーストレス」状態で停滞を感じていました。独立しフリーランス1年目はとてもストレスフルな年でした。でも、そのストレスのおかげで精神的にとても強くなれたと感じています。
過剰なストレスで心も体もボロボロになってしまうのであればその状況から早く離れて違う道を探すべきです。一生付き合う自分の体と心の健康を一番に考えてあげるべきだと思います。
でも「ストレスは人生のスパイス」という言葉があるように、自分の成長や豊かな人生のために活用できるものでもあります。マインドフルネスでは脳も心も鍛えることができると言われています。レジリエンス(しなやかな心の回復力)を身につけ、ストレス対応力も高めることができます。
ストレスとうまく付き合うには、自分の状態に気づき整える力を身につけることが大切です。本当に効くストレス解消法を取り入れ、常に心と体を良い状態にメンテナンスしておけば、何か強いストレスが起きた時にも冷静に対応することができるかもしれません。
今回は「ストレスケア」について書きたいと思います。
1. ストレスとは外部からの刺激に対する体と心の反応
「ストレス」とは、もともと物理学の分野で使われていた用語です。物体に外側から力が加えられ圧力がかかったときに歪みが生じる現象です。ストレス学の祖と呼ばれるハンス・セリエが、この圧力と歪みの現象が人や動物にも起きるという事を発見しました。
医学や心理学では、心や体にかかる外部からの刺激をストレッサーと言い、その刺激に適応しようとして生じる様々な反応をストレス反応と言います。ストレッサーという「圧力」を受けて、ストレス反応という「歪み」が生じます。
< ストレッサーの種類 >
「物理的ストレッサー」
温度、騒音、放射線など物理的な刺激
「科学的ストレッサー」
酵素、薬物、化学物質など科学的な刺激
「生物的ストレッサー」
炎症、感染、カビなど生物的な刺激
「心理的ストレッサー」
怒り、緊張、不安、喪失といった心理的な刺激
生きていると色々な所にストレス的な刺激が存在しますよね。特に心理的ストレッサーはとても身近に存在します。新型コロナによる環境の変化、会社での人言関係、高圧的な上司、仕事上のトラブル、一人で頑張らないといけない状況なども心理的ストレス的な刺激です。
外部の刺激に対して私たちの体と心は常に反応します。ストレスに対し体が反応し、心が反応し、そして行動にも影響を与えます。現代のストレス社会では、多くの人が肩こりや頭痛を抱え、ストレスで眠れない人もとても多いですよね。新型コロナが流行する中で帯状疱疹の発症も増えたようです。
< ストレス反応の種類 >
ストレス反応は「心理面」「身体面」「行動面」の3つに分けることができます。
「心理面での反応」
活力の低下、イライラ、不安、失望、恐怖、抗うつ、気分の落ち込み、興味関心の低下など
先日ショックな出来事があって、気分が落ち込み、やる気を失い、喪失感に襲われました。反応のタイプとして、怒りなどのに強いエネルギー側に振れる人と落ち込みなど低いエネルギー側に振れる人がいますよね。私は低いエネルギータイプです。
「身体面での反応」
体の痛み、頭痛、肩こり、だるさ、腰痛、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠など
昔は仕事のプレッシャーからよく頭痛や胃炎などの体の反応がよく出ていました。自己管理に課題があった時は、毎月のように病院に行って胃薬を処方してもらっていました。今はなくなりました。
「行動面での反応」
暴飲、暴食、喫煙量の増加、仕事でのミスや事故、集中力の欠如など
ストレスを感じた時は甘いものに手が出ています…笑。行動の反応ですね。ストレスから食べてしまうエモーショナルイーティングはまだ課題ですが、少しずつよくなってきました。
ストレスからの過食に関しては別のブログで書いています。
2. ストレスによって起こる扁桃体ハイジャック
ストレスを受けたとき、体内でストレスホルモンが分泌されます。ストレスホルモンの分泌は、身体の防御反応なのですが過剰な分泌は心身の不調の原因となります。一番代表的なストレスホルモンがコルチゾールです。
「前頭前野」は思考、判断、行動の機能を司る「理性的な脳」なのですが、ストレスホルモンであるコルチゾールの濃度が高くなると神経細胞の活動が低下し、やがて止まり、感情の制御ができなくなってしまいます。
扁桃体ハイジャック
「闘争・逃走反応」「Fight or Flight」という言葉を聞いたことあるかもしれませんが、扁桃体は「本能の脳」や「感情的な脳」と言われ、刺激に対し「戦うか、逃げるか」の判断をする脳です。
ストレス要因によって扁桃体が暴走することを扁桃体ハイジャックと言います。感情的な脳である「扁桃体」が理性的な脳である「前頭前野」の遂行機能を乗っ取り、感情をコントロールできなくなる現象がおきます。感情的な脳は理性的な脳よりも速く情報を処理するので、理性的な脳が働く前に脳全体をハイジャックし、理性的な思考を抑制します。だから感情的になり理性的な行動をする機能が弱まってしまいます。
ストレスが溜まってる時って、冷静な判断ができず、思わずキレてしまったり、言ってはいけないことを口走ってしまい感情がうまくコントロール出来ないことありますよね。これらも扁桃体ハイジャックです。
ストレスによるパニック発作も扁桃体が関わります。恐怖や外的脅威のストレス刺激が強すぎて、扁桃体が過剰に活動し、前頭前野を含む前頭葉がそれを抑え込めなくなり、交感神経に作用して動機・過呼吸などの身体症状が発生します。
3. ストレスケアのファーストステップは「気づく」こと
人はストレスを感じると、その状態に対抗するために先ほどのコルチゾールやアドレナリンなどが反応を示します。
コルチゾールは肝臓での糖の新生、筋肉でのたんぱく質代謝、脂肪組織での脂肪の分解などの代謝の促進、抗炎症および免疫抑制などで体を維持しようと働きます。
アドレナリンはよく「ハイな状態」みたいに表現されますが、アドレナリンの分泌は心拍数や血圧上昇を上昇させ体のパフォーマンスを高めようとします。
私たちの体はストレスに対抗して、守り戦おうとします。ホルモンが働きハイな状態になっているので、ストレスがかかっていることに気づきにくいそうです。体は疲れているけど、脳は必死でその疲れを感じにくくなってしまいます。
私も昔新ブランドの立ち上げで、19連勤、毎日始発&終電で山積みの仕事とたくさんの問題に立ち向かっていた時、体力はあるのでなんとか頑張れました。でもプロジェクトが終わった瞬間に、今まで感じていなかった体の疲れがどっと出て、体が重く思うように動けず、マッサージに駆け込んだ経験があります。もっと休息をうまく取り入れるべきでした。
こまめに自分の状態に意識を向けて、セルフケアをすること大切ですよね。高いパフォーマンスを発揮し続けるには、休息の重要性を知り、自分に気づく力、自分を整える技術を身につける事が必須です。
「気づく」にはマインドフルネスがとても役立ちます。マインドフルネスはAWARENSS TRAINING (気づくトレーニング)とも言われています。
マインドフルネスに関してはこちらをご覧ください。マインドフルネスは扁桃体の活動を抑える効果もあります。
(Blog) 「振り回されないマインド」を養ってくれるマインドフルネス
MINDFULNESS
今この瞬間に、意識的に、評価せずに、注意を払う
- Jon Kabat-Zinn -
4. 無意識にやってしまうストレス発散方法
ストレスの発散方法は人によって様々です。私が無意識に走りがちな方法は、アイスクリームやチョコなど甘いものを食べる、とりあえずいっぱい食べる過食、買い物して発散するなどです。お酒がストレス解消!という友人もいます。
ストレスによって傷ついた心、満たされない心、空虚な心を埋めようとするのですが、間違ったストレス発散方法をしていても、一向に心は満たされず癒えません。
世界で最も権威のある心理学団体であるアメリカ心理学会(APA)が提唱したストレスに関する調査結果があります。その中で「よくある間違ったストレス発散方法 TOP9」と「本当に効くストレス発散方法」が紹介されています。私もこれを知ってからストレス発散方法を見直すようになりました。
まずは私たちがやりがちな間違っている方から。
「よくある間違ったストレス発散方法 TOP9」
1. ギャンブル
2.ショッピング
3.タバコ
4.酒
5.やけ食い
6.テレビゲーム
7.ネットサーフィン
8.テレビ
9.映画
皆さんストレス発散だと思ってやっていませんか?私も結構やってしまっていました。
ギャンブル・ショッピングのように依存性があったり、お酒・やけ食いのように衝動的であったり、無意識と繋がるマインドレス状態であったり。これらをストレス解消法として取り入れている場合、もしかしたらストレス解消の効果は薄いのかもしれません…
これらが一概に意味がないのではなく、趣味が映画鑑賞やワインの人もいると思います。趣味として行うのは全く問題ありません。むしろ趣味は心を潤し満たす素敵な時間の使い方です。
本当のストレス解消法は、幸せホルモンであるセロトニンや、気分を良くするオキシトシンを活性化させるものです。
5. 本当に効くストレス発散方法
アメリカ心理学会(APA)が提唱する幸せホルモンであるセロトニンや、気分を良くするオキシトシンを活性化させるストレス発散方法はこちらです。
「本当に効くストレス発散方法」
運動
体に意識がいくことでストレスを手放す事ができ、長期的にもストレスに強い脳を作る
瞑想
血圧を下げストレスホルモンを減らし、ネガティブな感情も消してくれる散歩
外を歩くことで、ストレスが30%も下がり、記憶力・注意力の向上にも繋がる読書
読書によりストレスが68%も削減され、1日30分読むと良い音楽
ゆったりとした曲を聴くと心拍数も血圧も下がり、ストレスホルモンのLevelも下がる友人・家族と過ごす
他者との繋がりで自尊心と安心感が上がりストレスレベルが下がるマッサージ
90分のマッサージを受けると心拍数もストレスホルモンレベルも下がる礼拝
「高次の目的」に意識が向かうと、人の脳は快楽物質を出すようになる
ショックな事やストレスが溜まった時には、自分を癒すために、ヨガやピラティスなどの自分と向き合う運動をして、海辺を散歩して、読書をするようになりました。とても効果を感じています。
そして何よりそのストレスの要因の根本と向き合う必要があります。心は何に満たされていないのか?外部刺激のストレッサーによりどんな事が阻害されているのか?もしかしたらそこには自分の願いや想い、大切にしている事が隠れているかも知れません。それに気づいてあげる事が根本的なストレス解消法になるかも知れません。
それには、書く瞑想とも言われる自分の想いを評価判断せずにありのままに書き出す「ジャーナリング」や自分の本音を探る「コーチング」をおすすめします。
(blog) 「自分らしく歩む」方法を教えてくれたコーチング
6. ストレスをスパイスに変える再認知評価
ストレスを溜めないように日々心と体をメンテナンスする、ストレスが溜まった時に本当に効くストレス発散方法でストレスを解消するのはとても大切です。それに加えて私がやっているおすすめの方法が、ストレスに対する捉え方を変えマインドを変化させる方法です。
以前は人前で話すのが大の苦手、人前に出ること自体がストレスでした。それがマインドフルネスを学び、自分の緊張をコントロールできるようになりました。緊張に対する捉え方を変え、自分の体の反応に意識的になり、その反応を俯瞰的に捉えてコントロールできるようになりました。ストレスも自分に活用できる形で認識すると、嫌なものから活用できるものに変わります。
再認知評価(Reappraisal/リアプレイザル)とは緊張やストレスを感じた時のコントロール法でネガティブに感じている事象に新たなポジティブな意味づけを加えるものです。
緊張=「力を発揮できない」「抑えなくては」
このプログラミングを
緊張=「ワクワク」「エネルギーの高まり」
と捉え方を変えます。
言葉が思考を形作るので、その言葉のプログラミングを変えてしまいます。ただ「緊張はエネルギーの高まりで、この高まりを感じるからこそパフォーマンスが発揮できる」と呟いて自分をマインドコントロールします。体がそのエネルギーの高まりに反応すると、脳もそのように認識して、それに伴うパフォーマンスが発揮されます。
不安やストレスでも同様です。
ストレス=「逃げたい」「嫌なもの」
ストレス=「人生のスパイス」「成長するための種」
と捉えるとしなやかな回復力と呼ばれるレジリエンスも向上して、しなやかなバネのような強さが発揮されます。
緊張をワクワクと捉え直すだけで成果が上がるという研究結果もあるそうです。捉え方1つでパフォーマンスが変わるなんでおもしろいですよね。コーチングのセッションでもこの再認知評価を活用しています。
7. まとめ
生きていると必ずストレスに遭遇します。大きくても小さくても。ストレス反応で扁桃体がハイジャックされ後悔する行動をとってしまったり、自分を傷つけてしまったり、人を傷つけてしまったり…
ストレス社会で生きる私たちに必要なことは、自分を知ること、自分を整えること。この2つの技術です。自分の体の状態、心の状態、脳の状態に気づいてあげること、そしてその状態に必要なものを与えてあげること。自分を整える技術を身につけられたら、ストレスに対しても冷静に対応できますよね。マインドフルネスで培われれるのは、衝動的な「反応」を冷静な「対応」に変える力です。
自分を整える技術を身につけ、対応力を発揮しましょう!
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