【blog】セルフコンパッションで自分への優しい対処法を身につける

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一生懸命生きているからこそ自己否定してしまう

自己肯定感が低いと自分を責めがちです。自己肯定感が低くなくても、どんなに前向きでポジティブで楽観的であっても、自己否定に陥ってしまうことがあると思います。私も独立したての頃、始めたばかりで挑戦している途中なのにうまくいかないと「私が足りないからだ」と自己否定と自信喪失の感情に引っ張られていました。生きていると思い通りにいかないこともいっぱいありますよね。一生懸命生きているからこそ生まれる葛藤ですが、葛藤の中で自分を責めてしまったり自分を卑下してしまうことがあります。

人は何か自分の願いや想いと反した結果や出来事であった時、自責他責環境のせいにするという形で自分の辛い想いを慰めようとします。でもこれは「辛い対処法」です。セルフコンパッションを知ることで、「辛い対処法」から「優しい対処法」に置き換える事ができます。私が実践しているセルフコンパッションの方法も含めてシェアしたいと思います。


今回は「セルフコンパッション」について綴ります。


  1. セルフコンパッションとは自分への思いやり

SELF = 自己
COMPASSION =思いやり・慈悲

セルフコンパッションは「自分への慈悲」や「自分への思いやり」です。自分の悪い所だけでなく良い所にも気づき受け入れる事で、自分への暖かく優しい感情を高めていくことです。母親の無条件の愛を思い出してください。落ち込んでいる時に思いやりを持って「そのままでいいんだよ」と母親が無条件にありのままを受け止めてくれるように、自分自身に対しても温かく思いやりのある言葉をかけてあげます。辛い時何の状況も変わらなくても、誰かがただ抱きしめて受け止めてくれたら心は軽くなりますよね。共感と癒しと優しさが心に届きます。コンパッションの力です。

I'm not enough


2. 失敗すると自分を責める

何か失敗してしまった時、自分で立てた目標を達成できなかった時、誰かが自分を責める以上に私達は自分で自分を過剰に責めてしまいます。「なんでダメなんだ」と自分を責めたり、周囲からの孤独感を感じたり、他人と比較して自分を卑下してしまったり。自分が足りていないと感じ、自分を恥じたり、自分に対して不満を感じます。それは怒り、悲しみ、不安、恐怖、孤独のような感情として現れます。防衛本能で自己否定を選択する場合もあります。他の人から責められる前に、自分の欠点や失敗を自分で責めることで、他人から非難でなく同情を得るためです。

自己批判の状態にある時、私たちの中には「責める自分」と「責められる自分」が存在するそうです。自分を責めて傷ついて、自分が責められて傷ついて、エネルギーを失ってしまいます。感情の矛先が「自分」ではなく、「他人」や「環境」になることもあります。誰かを責めることで気持ちを和らげようとします。これには気持ちを和らげる効果はあまりなく、こちらもエネルギーを失います。

感情の矛先が自分であれ他人であれ、そこには消化されていない想いや願い、感情があります。それを自分自身で受け止めてあげない限り癒しは訪ずれないのだと私もセルフコンパッションを学ぶことで知りました。


自分自身に慈悲の心を向けるためには、まずは自分が苦しんでいることに気づかなければならない。感じることのできないものを癒すことはできない。
Kristin Neff


3. 自分の脆さを受け止める勇気を持つ

私たちは辛い感情を避けるため、感情を麻痺させる癖があります。見えない所に押し込めようとしたり、無視しようとしたり、無理矢理ポジティブな感情や思考で上書きしようとします。でもその感情は自分の内側に鬱積して大きくなってしまいます。

まずは自分が苦しんでいることに気づかなければ慈悲は訪れません。

Brene BrownがVulnerability(脆さ)について語っているTED Talkも是非みてください。

The Power of Vulnerability(傷つく心の力)

自分の脆さを受け止めるのには勇気がいります。動画では、自分らしくいるためにも自分のもろさを受け入れさらけ出す勇気が必要だと語られています。Courage (勇気) の corはラテン語で「心」を示し、Courageの元々の意味は自分のことをあるがままに話すことと説明されています。不完全でもOKという自分に対する思いやり。自分は愛されるに値する、自分には価値があると信じる。自分の心のもろさを受け入れ強く自分を信じるには勇気が必要です。自分への思いやりがないと、他人に思いやりを持つことはできません。

自分を受け止め自分に優しくするというセルフコンパッションの行為も自分の脆さを受けとめる勇気が必要なのだと思います。Brene Brownは最後に「脆さを曝け出すこと、自分をあるがままで愛すること、I’m enoughだと語りかけること」について触れています。

I'm enough


「心のもろさは魅力。心のもろさを感じる事が生きていること。I'm enoughと信じることが大切です。なぜなら、この自分で良いんだと言える場所から働きかけることで、叫ぶのをやめて傾聴し、周りに対しもっと優しく穏やかになれ、自分自身にも優しく穏やかになれると信じているからです。」
Brena Brown


セルフコンパッションについて詳しく知りたい方にはこちらの本がおすすめです。

 

セルフ・コンパッション―あるがままの自分を受け入れる
クリスティーン・ネフ(著)


4. 「辛い対処法」から「優しい対処法」に置き換える

クリスティーン・ネフは「セルフ・コンパッション―あるがままの自分を受け入れる」の中で、「責める自分と責められる自分」になるのでなく、「慰めを与える人であると同時に慰めを必要としている人である」と理解する事が大切だと伝えています。優しい対処法を是非意識してみてください。

SELF-KINDNESS (自分への優しさ)

落ち込んだ時に親友が自分に声をかけてくれるように自分に対して暖かく優しい気持ちを向けて、声をかけてあげます。

私も自分の内側に意識を向け「今不安なんだ」「今辛いんだ」と自分の気持ちを素直に受け止めてあげるようにしています。

COMMON HUMANITY (共通の人間性)

人は誰でも困難や失敗がありパーフェクトではないという事を理解します。人と繋がっている感覚や
共感の感覚を感じるだけで活力が上がります。

自分のダメな部分を含めてありのままに受け止めてくれる家族や友達の存在は大変貴重です。だから頑張れます。そこに意識を向けてみましょう。

MINDFULNESS (マインドフルネス)

自分の強さも脆さも弱さもありのままに受け止める。マインドフルネスのあり方で、良し悪しを判断することなく俯瞰的な視点で自分に意識を向ける。その上で自分がどこに意識を向けたいのか冷静に捉えます。

私も結果だけでなく、頑張っているという事実、チャレンジしている勇気、そして失敗から学べる成長の可能性にも目を向けるようにしています。


MINDFULNESS

今この瞬間に、意識的に、評価せずに、注意を払う
- Jon Kabat-Zinn -


5. セルフコンパッションのジャーナリングで自分を受け止める

おすすめなのがジャーナリング(書く瞑想)です。

ジャーナリングとは、頭の中に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをありのままに書き出すマインドフルネスのツールの1つです。「今ここ」というマインドフルな状態で良い悪いを判断しないで行うのがポイントです。ストレス解消、自己認知、自己受容など瞑想と同じような効果が得られます。

私がやっているセルフコンパッションのジャーナリングの方法を紹介します。

  1. 自分の気持ちを書き出すジャーナリング
    まずは、今自分が考えていること、思っていることなどを書き出します。ジャッジせずにただ浮かぶことを書いてください。強い感情の裏には、想いや願い、大切にしている価値観が隠れています。自分の内側を探求するように、どんな想いが隠れているか意識を向けてください。

  2. 自分の気持ちを受け止めるマインドフルタイム
    書いた文章を見返して「こんなこと考えているんだ」「こんな事感じていたんだ」と優しく受け止めてあげます。この時も評価判断しないのがポイントです。語尾やすべきやしなければならないなどの時は何かに執着してる証拠なので自分の状態にも気づいてください。

  3. 自分の本音に気づくジャーナリング
    深呼吸して自分の気持ちを受け止めた上で、自分に下記の問いを投げかけてください。
    「本当は自分は何を望んでいるのか?」
    すぐに答えは見つからなくても、優しく自分を受け止めるセルフコンパッションを繰り返しているとだんだんと見えてくると思います。


セルフコンパッションは、自分への思いやりのプロセスの後に、自分の人生をどう生きたいか行動を起こすように仕向ける動機付けの要素も含んでいる
クリスティーン ネフ


まとめ

自己否定や自己卑下で自分のエネルギーを下げてしまうのはもったいないですよね。たとえうまくいかない事があっても、辛い対処法で辛い時間を過ごすのでなく、優しい対処法でまずは自分を癒しまたここから頑張るための活力を回復させてあげることが先決です。活力が回復したら自分の望む方向に意識を向ける余裕が心の中に生まれます。セルフコンパッションで必要なのは、問題の解決策を見つけることでなく、ただ今の自分を受け止め癒してあげることです。セルフコンパッションは自分を甘やかすことでなく、望む未来に向けた癒しのプロセスで、活力が回復するからこそ自分の望む未来に向け行動できるようになります。

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