【blog】mindful moment - 忙しい日常の中で心の余白を作る方法
BE HERE NOWマインドフルネスコーチ/リトリートオーガナイザーのSERIです。マインドフルネス、ウェルネス、セルフケアや「生き生きと働く「マインドについて発信しています。
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「余白」が必要な時
時間がない、余裕がない
そんなこと感じていませんか?
虚しさ、喪失感、モチベーションの低下
忙しさの中で「これでいいのかな?」という感覚になったりしませんか?
情報社会、ストレス社会を生きる私たちは、常に情報にまみれ、判断することがたくさん、やるべき事と時間に追われながら生活しています。「余裕」や「余白」が大切だと分かっていながらも、やる事やスケジュールを詰め込み過ぎてしまいますよね。
去年の秋ぐらいから仕事の新たな挑戦に加え、プライベートでも新たなことに挑戦して忙しくしていました。やりたい事なのでやる気もモチベーションも高いのですが、何か追われている感覚を感じていました。そこで年末に急遽「旅にでよう!」「自分と繋がろう!」と決意して4日後には沖縄に飛び立っていました。
その時の「旅ログ」はこちら。
(旅ログ)旅しながら働く - 自分と繋がる弾丸リトリートひとり旅(那覇)
そこで感じたのが、やはり「余白」が大切だという事です。日常の中に身を置き家にいるとどうしても日々のルーティンややる事に追われてしまいます。物理的に自分を日常から離し非日常な空間に身を置く事で自ずと空白が生まれます。
ゆっくりと「今」に立ち止まる時間
沖縄では自分が求めていた自分と繋がる感覚を手に入れることができました。海を眺めてただ「きれいだな」と感じ、流れている音楽に耳を傾け「癒されるな」、好きな空間に身を置き「心地良いな」と。何か追われていた感覚や自ら執着していたものから解放されるような感覚です。頑張っていた力みが解放されたような。
その感覚になると、心に「余白」ができ新たなものが入ってきます。新たなアイデア、ひらめき、プラン、目標、ビジョン。こうゆう時に自分の本音や自分自身と繋がれている感覚になります。鈍っていた創造性や直観も戻ってきます。
脳はいつもフル稼働です。現代人は情報過多、思考過多の状態です。脳を休息させることが必要です。「余白」は人の創造性や生産性を高めると言いますが、本当だなと感じました。
今回は「Mindful Moment - 今に立ち止まる時間」について書きたいと思います。
1. 詰め込み過ぎて立ち止まる時間がない現代人
時間がない、余裕がない
忙しさに忙殺されていませんか?
虚しさ、喪失感、モチベーションの低下
忙しさの中で自分を見失っていませんか?
先日読んだ本に「日常のふとした隙間に生じる空白を埋め続けてしまう」と書いてありました。読んだ本は「WHITE SPACE ホワイトスペース―仕事も人生もうまくいく空白時間術」です。
私たちは空白の時間は「浪費の時間」という脅迫観念に襲われ、空いたちょっとの隙間時間も埋めてしまうそうです。5分時間ができた時、空白時間を味わいぼーっと過ごし脳を休ませることなく、携帯を見て、メールをチェックして、効率的に過ごそうとしちゃいますよね。
考えにふける「余白」を現代人は持たなくなった
これは私の実体験なのですが、独立した際に10日間の沈黙の瞑想Vippasana Meditationに参加しました。10日間、話すこと、書くこと、読むこと、動くこと(ヨガなど)を禁止され、携帯も本もノートもペンも没収されて過ごします。
(blog)10日間の沈黙の修行で雑念を手放すヴィパッサナー瞑想
瞑想と瞑想の間に「休憩」時間があるのですが、各々が自由に過ごします。私はよく外のベンチに座って空を眺めて、雲が動く風景や風の音を感じたりしていました。その時に思ったのは、いつもだったらこの数分間の間に何回携帯を見ているだろうという事でした。信号待ちで、電車待ちで、ほんの少しの空白の時間があればそれを携帯を見る時間で埋めてしまいます。
「そんなの暇すぎて耐えられない」と思う方も多いと思いますが、これが心地よかったのです。旅行先でぼーっとしたり、プールサイドでお昼寝したり、自分を何かの縛りから解放しているのと似ている感覚です。そして10日間という過酷な修行合宿が終わった時は二度とやりたくないと思ったのですが、日常に戻るとその時の感覚が少し愛おしく懐かしく感じるんです。
本の中で紹介されていたのですが、ギャラップ社の調査で、労働者の23%がしばしば燃えつきを感じ、44%が時々燃え尽きを感じているそうです。デロイト社によると、3人に2人が「心に余裕がない」と感じているそうです。
私たちの空白時間を奪うのはマインドとも関係があります。パフォーマンスを発揮する上で大切な「意欲」「優秀さ」「情報」「活発さ」が過剰に働いてしまうと私たちの時間を奪ってしまうということです。とても納得感があります。
「意欲」 がんばりすぎる
「優秀さ」完璧主義、こだわりすぎる
「情報」情報過多
「活発さ」やりすぎ
ゴールに到達する度に「もっと成し遂げ(意欲)」、「もっと秀でる(完璧主義)」、「もっと知り(情報)」、「もっとやる(活発さ)」とすぐさま次のゴールを設定して走り続けてしまう。振り返ることなく、次々に、先へ先へと。
私が奪われている時間は「意欲」と「優秀さ」からです。昔から完璧主義でとことんやらないと気がすまないという傾向があります。そこにやる気や意欲が加わると猪突猛進でやってエネルギーを消耗してしまいます。プロジェクトマネージャーをやっていた頃よく燃え尽き症候群になっていました。
プラスにもマイナスにも働くこの要素を自分でコントロールできるようにならないといけないですよね。私は今は自分の「エネルギー」を量と質で捉え自分の状態を管理するようにしています。エネルギーの質が下がったり、エネルギーの量が足りなくなったら、しっかりと回復するための「余白」時間を自分に与えるようにしています。
1-2ヶ月に1回「旅しながら働く」を実践しているのですが、それも自分のエネルギー管理の1つです。忙しさによって創造性が奪われていると感じたら、仕事があっても旅に出てリフレッシュして、旅先で環境を変え仕事をするようにしています。
2. 時間があっても時間がない
常に何かにせかされている感覚ありますよね。私もあります。会社を辞め独立した時、自分のための時間がたくさんできたはずなのに「もっと頑張らなきゃ」という脅迫観念でやることを詰め込むという経験をしました。忙しくしていないと不安だからです。今もまだその傾向がありますが…笑
時間があっても、その時間を「不安」や「強迫観念」で埋めていたら、脳は休まらず、余裕も創造性も生まれません。
良い行いもたまに時間やエネルギーを奪います。
私は朝のルーティンが好きで、瞑想したり、ピラティスで体を動かしたり、コーヒーをゆっくり飲んだり。でもルーティンに縛られ過ぎると「執着」になってしまいます。
目標を立てるのも大好きで、常に目標を掲げて活動しています。その方がモチベーションをキープできるからです。でもその目標に縛られすぎ、「完璧主義」や「頑張りすぎ」が働くとこれも「執着」になってしまいます。
ヨガの学びを通して覚えたことなのですが、例え良いものであっても過剰になると「執着」になるという事です。ヨガは「心の作用の死滅」のために行うものとされ、過剰な良いことにも悪いことにも心振り回されることなく、ニュートラルな視点やマインドを持つことが大切とされます。物事との距離感と、それに関わる自分のエネルギーの質が大切です。執着になるとそれは私たちのエネルギーの質を下げ、私たちを縛ってしまいます。
3. 脳は余白を求めている
私たちは日々、やる事に追われ、時間に終われ、プレッシャーに追われ、判断することもたくさん、やりたいこともたくさん。頭の中が常にいっぱいな状態です。整理されていない思考や感情が頭の中に残ったままでいると、脳のキャパシティが奪われ無駄なエネルギーを消費してしまいます。脳が疲労して、余裕がなくなり、冷静で俯瞰的な視野で考えられなくなります。
脳に休息のために必要な回復時間を与えないまま働かせ続けると、脳の限られたリソースが使い果たされて、特に前頭葉は疲労に弱く認知機能や実行機能のパフォーマンスが下がります。充電が20%の状態だとパフォーマンスが下がるのは当然ですよね。
「余白」は私たちのエネルギーの質、人生の質、そして創造性や生産性を高めてくれます。
脳を休ませることが大切
お風呂でぼーっとしている時に良いアイデアが浮かんだ、お散歩中に問題解決の糸口が見つかったなんてことありませんか?ひらめきは脳に余白がある時に訪れます。
「デフォルトモードネットワーク(DMN)」は能動的に活動していないときの脳の状態です。休息時に活発になり、認知機能や実行機能が活発な時に抑えられます。DMNは脳のアイドリング状態とも表現されるのですが、完全の休止ではなくいつでも活動できるようにアイドリングしている状態です。このDMNですが、洞察力、記憶力、創造力と関連してると言われています。
冷静に俯瞰的に物事の本質を見抜く力
最近読んだ記事に、DMNを構成する領域の一つに記憶を司る「海馬」があり、DMN状態の時、私たちの脳は海馬にアクセスし記憶情報の処理を行っていると書いてありました。DMNが海馬に溜めた情報を処理する際、膨大な断片情報に同時にアクセスして、その最中の奇跡的な組み合わせにより「ひらめき」がうまれているとも考えられているそうです。
脳の休息は本当に大事ですね!
参考記事はこちら
MINDFULNESS
今この瞬間に、意識的に、評価せずに、注意を払う
- Jon Kabat-Zinn -
4. 「余白」を確保するMindful Time - 今に立ち止まる時間
朝起きたら仕事まで息つく余裕なく、仕事では打ち合わせと打ち合わせの間息つく余裕もなく、仕事が終わっても家事や育児、あっというまに夜になっていて、気がつくと「あっもう今月が過ぎ去った」「1年が過ぎ去った」なんて感じてしまいますよね。
自分に「今」に立ち止まる許しを意識的に与えないと私たちは走り続け、「空白」を何かで埋めようとしてしまいます。だからこそ意識的に今に立ち止まる時間を定期的に持つことが大切です。
Mindfulnessとは「今この瞬間に意図的に評価せずに注意を払う」在り方で、Mindful Momentは今に立ち止まる時間です。
マインドワンダリングの2つの側面
DMNがひらめきや創造性と繋がっているとご紹介しましたが、DMNの状態の時私たちの脳はマインドワンダリング状態になります。マインドワンダリングとは、思考が目の前のタスクから離れ、心がさまよっている状態です。
マインドワンダリングには2種類の側面(天使と悪魔)があります。天使のマインドワンダリングは、お風呂の中でアイデアが浮かぶようにひらめき、創造性と繋がっています。悪魔のマインドワンダリングは、無意識に過去の後悔・未来への不安・他人との比較に彷徨いアンハッピーな状態に引きずります。
目の前のタスクから離れて脳を休めることが必要なのですが、この時悪魔のマインドワンダリングと繋がってしまうとエネルギーを不要に消耗してしまいます。ひらめきや創造性と繋がるに天使のマインドワンダリングと繋がる必要があります。だからこそ、マインドフルネスの「評価判断しない」マインドが必要だと思います。
目の前のやることに追われるモードから自分を解放し、でも悪魔のマインドワンダリングに引っ張られずに、ぼんやりと過ごす時間が持てたら余裕、余白も、創造性も広がりそうですね。
「誰でも幸せになりたい。
どうすれば幸せになれるかを知っている。
なのに、実行に移さない。
どうして?
理由はシンプルだ。忙しすぎるからだ。
忙しすぎて、何ができない?
忙しすぎて、幸せになる努力ができていないのだ。」
5. Mindful Momentの実践
旅に出ないと「Mindful Moment」を持てないとなると時間もお金も足りません。なので、日常にちょこちょこと入れ込むのが良いと思います。日々の脳疲労は毎日の隙間時間に、まとまった疲労は1週間や1ヶ月のケアで、蓄積された疲労は2-3ヶ月単位でケアします。
私は毎日のケアは「朝の10分瞑想」「ピラティス」「3呼吸」で、毎月のケアは「Monthly Journaling」「Retreat Day」で、2-3ヶ月に1回「旅しながら働く」「リトリート旅」を実践しています。
① 毎日のケア - 朝の「Mindful Moment」
朝1日の始まりに「今」に立ち止まる時間を持つことをおすすめします。手法はなんでも大丈夫です。1日のスタートをどんな気分&マインドでスタートするかは自分次第です。その日1日余裕を持って冷静に俯瞰的に過ごせるように自分をセットします。
朝のアファメーションジャーナリング(今日のテーマをセットする)
瞑想
ヨガやピラティス
散歩
1杯のコーヒーをゆっくりと味わう
仕事のスタートまでは携帯を見ない
子供を1分間ハグする など
5分でも10分でも大丈夫です。時間がない時は1分でも3分でも大丈夫です。例え1分であっても「今」に立ち止まることで、忙殺される忙しさの激流に「流される」のでなく「流れる」ことができるようになります。
② 日中のケア - 隙間に入れ込む「Quick Mindful Moment」
ミーティングとミーティングの間、やる事とやる事の間、1分の隙間もなく次の作業に流れていませんか?これこそ激流に飲まれる要因です。もし1分間時間が取れなくても、15秒あればゆっくりと深呼吸して自分を整えることができます。1日に何回か深呼吸する時間をとりましょう。
深呼吸する(4秒で吸って、8秒で吐く - できれば数回繰り返す)
目を瞑って30秒間だけ次のタスクやミーティングに意識を向ける
チョコレート瞑想で1粒のチョコレートと五感で味わう
窓を開け新鮮な空気を吸う など
③ 月のケア - 1ヶ月の自分を振り返る「Monthly Journaling」
これは私も実践しているおすすめのジャーナリングです。ジャーナリングは「書く瞑想」と言われるマインドフルネスの手法の1つなのですが、今に立ち止まり、自分に意識を向けて頭や心に浮かぶものをありのままに書き出します。
その月にあった出来事を書き出し、それを眺めながら、自分を褒めてあげたいこと「Hug」、もっとやりたかったこと「More」、今月フォーカスしたいこと「Focus」を書き出します。
ジャーナリングに関してはブログで書いてます。
④ 年数回のケア - 自分と繋がる「Retreat」
物理的に日常から離れて、非日常空間に身を置いて自分と向き合います。リトリートには「避難」「非日常」のような意味があります。
RETREAT
仕事や日常生活から物理的に離れ、非日常的な空間に身を置き、心と体の活力を回復させる過ごし方
旅に出る
ワーケーションに行く
ホテルで過ごす
大自然に身を置く
リトリートに参加する
BE HERE NOW RETREATを鎌倉・葉山・逗子で毎月開催しています。よかったら脳の休息させ余白時間を過ごすためにお越しください。
マイクロソフト時代のビル・ゲイツは、年に2度「考える週」をとり、森の中にポツンとたつこやに引きこもったそうです。そして論文やほんや記事を読み込んでは考えにふけり、そこから得たきづきやアイデアを書き留めていたそうです。その内省の時間が会社の成長に繋がったそうです。
リトリートは、自分らしい人生を歩むためにも有効ですが、リトリートは仕事での創造性、ひらめき、アイデア、そして生産性を高めるためにも有効です。
まとめ
日々のMindful Momentが私たちの脳や心を癒し整え「余白」を取り戻してくれます。創造性や生産性を高め、パフォーマンスの質も、人生の質も高めてくれます。忙殺される激流から一歩外れて、その激流を俯瞰的に眺められるようになるだけでも色々と変わりそうじゃないですか?
忙しいからやらないだと何も変わりません。忙しいからこそ、それを俯瞰的に乗り切る自分に整えてあげるために「Mindful Moment」を活用しましょう。
Live your authentic life!